バイオトイレ掲載記事 日経産業新聞
2007年10月29日
日経産業新聞 2007年10月26日(金)
日経産業新聞 ベンチャー新市場「性能向上バイオトイレに注目」にて、バイオトイレ「サンツール」が掲載されました。
(以下、日経産業新聞記事より引用)
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[日経産業新聞 10月26日]
ベンチャー新市場 性能向上バイオトイレに注目 「介護・海外ニーズ探る」
微生物の力でし尿を二酸化炭素(CO2)や水などに分解するバイオトイレが注目を集めている。自然の力を活用し外部へ汚水・汚泥を出さない簡易型トイレだ。使用場所は山岳地域以外にもゴルフ場や観光農園で、下水道や浄化槽のせいびが遅れている東南アジアなど海外へも広げようとする動きも出始めた。
六月にユネスコ世界遺産委員会で暫定リストに入った富士山。毎年三十万を越える人が訪れる。人気に比例して問題になっているのが登山客のし尿処理だ。
富士山の山小屋などが管理するトイレは従来、地下浸透や垂れ流しだった。だが2000年に特定非営利活動法人(NPO法人)富士山クラブ(東京・港)が旗振り役となり、五合目以上へバイオトイレの設置を始めた。トイレシステム「バイアニクス」を納入したのは空調設備の東陽鋼業(大阪府吹田市)だ。
まず便器の下の「調整そう」でし尿と水を混ぜ、無数のバクテリアの入った「ばっきそう」で最初の分解を進め、杉チップの入った「分解そう」を通してCO2と水への分解を促す。できた水は貯水槽に入り、雨水と一緒に水洗の流し水として再利用する仕組みだ。
電気と少量の水のほか、分解により一年で約一割減少する杉チップの補充費用が必要なるが、無汚泥で「ほとんど無臭」(荒井正志社長)と関係者の評判もいい。来季からの稼働を目指し、現在、七合目付近に設置作業をしている。「初期は処理能力が一日二百人だったが、杉チップの改良で五百人まで高まった」(荒井社長)という。
他社製品を販売していた金型部品製造の東京サンツール(東京・杉並)は03年から企画・製造にも参入した。形状や価格など顧客ニーズをつかんだためだ。巌真一社長は「例えばスキー場のトイレは人が動きやすい広さが必要」と説明する。
同社は中国の提携工場で組み立て搬送する流通網を築き、「サンツール」は二百万から三百万以上した従来商品より安い百二十万円からの価格設定とした。関東地域に続き、11月からは全国販売も始める。「おがくずなど媒体を無臭化する研究を進めれば、介護トイレとして屋内設置も可能になる」(同)。
富山県の立山連峰や山形県の大朝日岳など山岳地域への設置実績が多いリンフォース工業(神奈川県鎌倉市)の「サンレット」。汚水を土壌中の微生物で浄化し、浄化水を水洗用に利用する土壌処理方式で、水も電気も杉チップも不要だ。
一年十ヵ所の設置を目標に営業するが、実績を積むのは簡単ではなかった。阪神大震災で災害時の仮設トイレの必要性が強調され、簡易トイレへの新規参入が相次いだからだ。
保守体制の不備や実証データを伴わない粗悪品が増え、不評が広がった。そこで同社を含む日本トイレ協会所属の企業は04年「自己処理型トイレ研究会」を立ち上げ認知と普及に努めた経緯がある。
中台光雄社長は「(電気や水が不要な)土壌処理方式は、下水道などの普及が遅れる東南アジアなど海外に機会がある」と説明する。杉チップを利用するバイオトイレも、同様に需要拡大を見込む。
東陽鋼業はNPO法人と共同出資会社を立ち上げ米国やカンボジアなどへ拡販する構想を持つ。同社のバイオトイレは米国の国立公園で一基稼働するほか、カンボジアのアンコールワット遺跡へも送る準備を進める。「し尿がなくなることにびっくりするはず」(荒井社長)。性能を実感すれば購入につながり、量産すれば価格も下がるとみている。
(畑中麻里)
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